最近、TVで見かけることが多くなったシャトレーゼ。
”美味しいのに安い!”と評判が広がり、どんどん店舗も増えているようです。
私は学生時代から知っていたのですが、引っ越しなどでお店が近くになく縁がなくなっていたところ、少し前にご近所にできたことから行くようになりました。
そして、ふと疑問に思ったには「シャトレーゼがなぜ美味しいのに安いのか?」
とはいえ、これまで特に気にしていなかったのですが、なんとなく読んでみたシャトレーゼから出版されている本「シャトレーゼは、なぜ「おいしくて安い」のか」を読んだらその中にたくさん答えが書かれていました。
私の他にも安さの理由が気になっていた方は多いのではないでしょうか?
読み終えて、シャトレーゼの企業努力に頭がさがる思いになり誰かに伝えたくなったため記事にしました。
今回の記事では、シャトレーゼの安い理由について本を元に簡潔にまとめています。
シャトレーゼが美味しいのはなぜ?~素材が決め手の商品戦略(第2章より)~
まずは、本を読んでわかったシャトレーゼがいかに”美味しい”を追求しているかの部分について語ろうと思います。
安いと何か裏があるのではないかと思ってしまうのが性。
でも、シャトレーゼの美味しさは本物でした!
シャトレーゼが美味しい理由…それは第2章にたくさん秘密が書かれています。
実際にこの章を手にとって読んだらもっとシャトレーゼのお菓子が買いたくなってしまうはずです!!
シャトレーゼでは、”原材料を惜しまずに美味しいものを届ける”を大切にしていることがわかる一文がこちら。
安い材料を使って値段を落としたり、おいしさよりも保存がきくことを優先したりするのではなく、それ以外のところで工夫するのが、創業以来貫いてきたシャトレーゼの方針です。(P.55)
そして、ここがこの本の伝えたいことではないでしょうか?
みなさん「安いのにおいしい」と言ってくださいますが、そうではないのです。おいしさには手を抜かず、それなのに安い。シャトレーゼが目指してきたのは、「おいしくて安い」です。(P.56)
そして、おいしさへのこだわりは例えばこちらです。
(こちらは一例です。ほんとは書きたい箇所がいっぱいありました)
卵へのこだわり
割ってからある程度時間が経った液卵だと、卵の力が弱く膨らみがばらつきそれを補うために使用されるのが膨張剤とのことですが、シャトレーゼではこの膨張剤を使わずにすむように、「産みたて・割りたて」の卵を使用することにこだわりました。
工場近隣の卵農家と直接契約を結び、製造ラインのすぐ横の割卵機で割るようにしたそうです。
そして、さらに研究が進んで「カステラ専用卵」「プリン専用卵」ができているから、美味しさへの追及は本当に頭が下がる思いです。
>>プリン専用卵を使用したシャトレーゼのたまご専門菓子店「八ヶ岳のたまご」がオープン!エッグタルトが大人気!
アイスの賞味期限
シャトレーゼのアイスには賞味期限があるのに気づいていましたか?
普通はアイスに賞味期限はないのですが、シャトレーゼのアイスには賞味期限があるのです。
アイスクリームはマイナス18度以下で保存するから本来品質が劣化しにくいため、「アイス類にあっては、期限及びその保存方法を省略することができる」と、消費者庁食品表示基準の規定にも定められているようですが、なぜシャトレーゼのアイスには期限があるのか?
本にはこう書かれていました。
一般的なアイスには安定剤や乳化剤などの糊料といわれる糊状のものが入っていて、これがのどに残るんです。糊状といっても食品に分類されるものですから、食べても問題はありませんが、私たちは使いません。
ただ、さっぱりしている反面、アイスが溶けやすくなるという弱点があります。
開け閉めが頻繁な家庭用冷蔵庫の冷凍室では、表面が溶けたり凍ったりしやすいので、どうしても風味が落ちたり、表面の触感が悪くなってしまいます。(P.71)
確かに、アイスクリームを食べて水やお茶などが飲みたくなることがよくありますがこれが理由だったんですね。
ちなみに賞味期限を設けた理由は他にも書かれていましたよ。
これからは、シャトレーゼのアイスは賞味期限にかかわらず早く食べようと思いました。
アイスといえばこちら↓もかなりオススメです。普通のアイスと全然違います!お中元やギフトにもありです!
山で摘む天然のよもぎ
私は幼少期に川の土手で祖母とよもぎ摘みをしたことがあります。
そして、それを祖母が美味しい草餅にしてくれたことはよい思い出です。
でも、まさかシャトレーゼの社員さんも似たようなことをしていたというのですから驚きです。
山で自生している天然のよもぎには、何ものにも替えられない豊潤な香りとやわらかな口当たりがあります。(P.80)
というわけで、これをお客様に伝えるために春の恒例行事になるくらい社員さんが頑張って摘んでくださっているようです。
次にシャトレーゼの草餅を食べるときには、もっと香りから楽しみたくなってきました!
美味しい理由は他にもたくさん本に書いてありましたよ!
シャトレーゼが安い理由とは?
安かろう悪かろうが一般的なイメージですが、シャトレーゼは商品の質を落とすことなく安さを保持しています。
その裏にはやはり企業努力、そして経営者である齊藤寛さんの信念がありました。
三喜経営を大切にするシャトレーゼ!~発想の原点(第1章より)~
シャトレーゼは「甘太郎」という会長の弟さんが経営されていたお店がはじまりです。
その「甘太郎」の経営が悪化して引き継いだのが現在の代表取締役会長の齊藤寛さん。
最近、TVでもお見掛けする方ですね!
この方が引き継いだ当初、立て直しに成功した際の考えはお客様の身に立つということでした。
当時はまだ戦後の物不足の延長線で、甘味といえば人工甘味料のサッカリンやズルチンが全盛でしたが、それだと後味が悪いのです。町中には何軒も菓子店があるわけですし、お客様の身になって考えれば、そんなものを買うためにわざわざ足を運んだりはしたくないはずです。(P.14)
そして、最初から上白糖と北海道産の小豆を使用することでお店は大繁盛したとのこと。
シャトレーゼは、”三喜経営”をモットーとしているそうで、「お客様に喜ばれる経営」「お取引様に喜ばれる経営」「社員に喜ばれる経営」を大事にしているのだそうです。
”三喜経営”を社訓としている企業は他にもありそうですが、実際にそのように運営できている企業は少ないのではないでしょうか。
シャトレーゼはそれを実践することで、多くのお客様から求められる今のシャトレーゼになったのですね。
ちなみにこの考えの原点は、さらにさかのぼると会長:齊藤さんのご両親の影響があるようですよ。
ご両親の事業がうまくいかなくなったときに、周りの方々が助けてくれたことで「利他の心」の大切さを痛感されたようです。
そして、ピンチの度にこの考えでチャンスへと変えて成長してきたというのが本当にすごいです。
経営の本質に”お客様に喜ばれる経営”があるからこそ、安く提供してお客様に喜んでもらいたいという思いが現実となっているようですね。
シャトレーゼの安い理由はこれだった!①~ブランド認知とファンベースの拡大(第3章より)~
では、実際にどう価格を抑えているかというのがこの章に書かれていました。
結論から言うと、シャトレーゼはSNSなどを利用することによって限りなく広告費を抑えていました。
シャトレーゼは今でこそ多くの方に認知された企業となっていますが、これまでにたくさんの広告宣伝費用をかけて顧客を獲得してきたというわけではありません。
当初は、商品力があってもなかなか集客が見込めなかったようですが、お客様からのリアルな声を集めて現状を把握・ブランドイメージの整理を行い名前の力で商品力のアピールを繰り返したことが活きてきているようです。
大人気となっている「チョコバッキー」もネーミング変更やパッケージ変更、サンプリング販売などで、商品の中身をいじらずに売上を拡大している例になるようですね。
そうした取り組みの上に、近年はSNSから商品情報を流したり、一般の投稿者にコンタクトをとったりすることでさらに認知度をあげ、広告費を限りなく抑える。
現在のシャトレーゼの安さはこうした企業努力があって成り立っているんですね。
シャトレーゼの安い理由はこれだった②~商品戦略~(再び第2章より)
すでに美味しさに対するこだわりは説明したとおりですが、卵のコストの低減については以下のように書かれていました。
というのが、需要と供給で決まる卵の値段。
生産者は相場を意識しないとやっていけませんから、せっかくの産みたて卵も、「週末になれば相場が上がるから、週末に出荷しよう」となってしまいがちです。季節によるバラつきもあり、冬は需要があるからよい値がつき、夏は消費が減って安くなります。
私たちはケーキに合う卵、おいしい卵、安全なたまごを作ることに専念してもらうかわりに、農家の方の利益を見込んだ固定価格で買うことにしました。ダイレクトに買うことで流通コストを抑えていますから、その分、代金を上乗せしても、決して高い買い物にはなりません。(P.65)
こちらは三喜経営につながるところでもありますが、農家さんに安心して美味しい卵を作ってもらうことに専念してもらい、かつ最も卵が美味しく食べられるタイミングを逃さずに、固定価格でダイレクトに買う!
このようにして、シャトレーゼは「美味しい」「安全」と「安い」を両立させていたのですね。
さらにSNSでファンが拡大!~新業態「YATSUDOKI」と海外業態の展開(第4章より)~
シャトレーゼの出店は”郊外”というのがこれまでのイメージでしたが、高級路線として都会にも出店しているのが「YATSUDOKI」ですね。
「YATSUDOKI」はアップルパイが大人気ですね!
「YATSUDOKI」というのは、「八ツ刻(やつどき)」という午後3時のおやつの時間、末広がりの「八」から命名されたそうです。
都会のお客様の出店してほしいという要望があったことが出店のキッカケとのことですが、これによってシャトレーゼのブランドイメージが高まり、企業全体の底上げにもなったそうです。
普段使いのシャトレーゼから、「YATSUDOKI」ができたことによって贈答用としても”あり!”なシャトレーゼがこうしてできあがったんですね。
近くにYATSUDOKIがないのが残念ですが、シャトレーゼでも焼き立てパイなどを味わうことができます。
コンセプトの異なるお店の良い商品を共に取り扱うことが売上につながってるのだなと思いました。
そして、海外にも進出しているシャトレーゼは、ここでもSNSの口コミによって売り上げが伸びているとのことでした。
>>「YATSUDOKI」はアップルパイだけじゃない!シャトレーゼで買える「一粒栗のマロンパイ」も美味しい!!
シャトレーゼの美味しさを後押し!~家業的企業経営の神髄(第5章より)~
シャトレーゼではTVでも話されていましたが、「プレジデント制」を設けているそうです。
「アイスのプレジデント」「あんこのプレジデント」というようにラインごとにプレジデントを設け、その方々へ「家業だと思ってやりなさい」と伝えているとのことでした。
この背景には
勤務している「会社」ではなく、自分の「家業」だと思えば愛着もわくし、さまざまな工夫もするはずです。(P.187 )
との考えがあるようです。
加えてこの制度のメリットは社内の風通しがよくなること。
これによってサラリーマンでありながら、サラリーマン気分を払拭させるわけですね。
シャトレーゼではこのようにして社員の方が常時、積極的に”美味しさを追求”されていることで、美味しくて安いが成り立っているようです。
通い瓶方式の生ワインの販売は「SDGs」につながること、リーズナブルなゴルフ場経営でもっと健康になってもらいたいという取り組み、シャトレーゼの経営にはいつも”顧客目線”がありました。
シャトレーゼが美味しくて安い理由はたくさんの企業努力!
シャトレーゼが美味しくて安い理由、それは・・・
・いつでも顧客目線の商品開発
・産みたてや産直、無添加、天然へのこだわり
・産地とのつながりを大切にし、固定価格での購入によって質の向上と最高のタイミングでの購入を成立させる。そ して、ダイレクト購入による流通コストの削減。
・SNSの利用による広告費の削減
・社内制度に見直しによる社員の意識向上
これらたくさんの企業努力によって、シャトレーゼの”美味しさ”と”安さ”を私たちは得ることができています。
”安くても良いものはある!”。
情報にまみれた社会の中で、事実を知ることはとっても大事ですね。
商品への安心感もさらに増したことで、ますますシャトレーゼに足が向きそうです。
本にはまだまだ美味しさの秘密はたくさん書かれており、私には読み取り切れていないこともたくさんあるかと思いますので、少しばかりご参考にしていただければと思います。
今後のシャトレーゼの新商品も楽しみです!
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